突発的な事件が戦争に発展する危険性

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今回は松浦さんから、突発的な事件が戦争に発展する危険性、についてお話していただきます。

3月8日、多数の中国人乗客を乗せたマレーシア航空機が、マレー沖で突然消息不明となる事件が起きましたが、これは何かの事件に巻き込まれたのでしょうか?

原因は機材の故障によるものなのかもしれませんが、マレーシアの航空当局者が乗客のうち2人が偽名の旅券で搭乗していたと発表したこともあり、偽名旅券の乗客によるテロの可能性もあります。現在、各国が救援活動を行うべく消息を絶った地点に向けて航空機や船舶を派遣しておりますが、中国からの派遣には時間がかかります。そのため、中国海軍上層部はこの事件をきっかけに、中国が近隣諸国と領有権の争いをしている「南沙諸島」に中国海軍の海難救助基地を建設する意向を示しています。この事件をきっかけに、南沙諸島の領有権争いが加速する恐れがあります。最近は、ロシアがウクライナのクリミア半島を占領したように、国家間の緊張が増しています。このような状況では、謎の事件により国家間の戦争に発展することがあります。

第一次世界大戦は、ボスニアの首都サラエボで、オーストリアの皇太子フランツ・フェルディナント大公がボスニア系セルビア人により暗殺される事件で始まりました。オーストリアの外務大臣は懲罰的な対セルビア戦を目論み、セルビア政府に10箇条のオーストリア最後通牒を送付。それが受け入れられなかったとして、オーストリア=ハンガリー帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の反対を押し切る形で、宣戦布告を行いました。

当時のヨーロッパは、ドイツ・オーストリア・オスマン帝国・ブルガリアからなる中央同盟国と、イギリス・フランス・ロシアを中心とする連合国という、対立する2つの軍事同盟がありました。そのため、各国がドミノ倒しのように連鎖的に参戦しました。このように、サラエボ事件によって、第一次世界大戦が起こりました。また、アメリカは、しばらく中立を保っていましたが、ルシタニア号撃沈事件により、第一次世界大戦に参加しました。

220px-Doomed_Lusitania.jpgルシタニア号撃沈事件とは、第一次世界大戦中の1915年 アイルランド沖を航行していた英国籍の客船ルシタニア号がドイツ海軍のUボートから放たれた魚雷によって沈没し、米国人128人を含む1198人が犠牲となった事件です。ルシタニア号は、軍需物資の弾薬を運んでおり、ドイツはこの輸送を許さないことを事前に新聞記事を出して警告していました。しかし、ウィルソン大統領は弾薬の積載を認めず、積み荷の目録を開封禁止にしました。ドイツの野蛮な攻撃に対してアメリカの世論は沸騰。これによって、それまで中立であった米国議会でも反ドイツの雰囲気が強まり、アメリカも参戦するきっかけとなりました。このように各国が同盟を結んでいると、連鎖的に戦争が拡大する場合があります。特に、戦争をしたがっている勢力が多い場合は、戦争が拡大しやすくなります。

現在も、日米安保条約やNATOがあり、ロシア、中国、イランなどとにらみ合っていますので、第一次世界大戦と同じく、連鎖的に戦争が拡大する可能性があります。そして、戦争が起きてほしいと思っている国と、戦争が起きてほしくないと思っている国があります。次回は、現在の主要な国の思惑をご紹介します。


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